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2010年08月 アーカイブ

中国のはなし 3

中国市場の最大の問題は、中国の政治体制が共産主義であるということです。


現在の中国政府は、この共産主義の原則は堅持しながら、資本主義的な妥協をおこないつつ、市場を育成していこうとしています。


したがって、今後、この妥協の産物として中国は二重経済化していくであろうと予測できます。


いま、中国政府は、北京、上海、香港周辺などに特別経済区を次々と設定しており、この特別経済区の中では外国の企業は、かなり自由に投資し、生産する許可が与えられつつあります。


しかし、これに対して他の大部分の農村地帯は、共産政府の厳しい統制下におかれており、そこでは自由な企業活動はできないでしょう。


海外と非常に密接に結びついた形で経営されている特別経済区と、それとはかなり切り離された遅れたままの農業地域(恐らくは90%以上)の両者が二重に存在するといった状況。


この二重経済化状況がかなり長期にわたって続いていくでしょう。


すなわち、中国は何年たっても依然として共産主義のままで近代化せず、海外からの投資も受けつけず、市場は開かれないであろうということはありません。


といって、中国がたちまちのうちに近代化して、新日鉄や日本電気などの合弁事業が盛んになるというバラ色の状態にもなりえないであろうということです。

中国のはなし 4

中国政府と海外企業の間では、この特別経済区に対する思惑にかなりの差があります。


まず、中国政府の側からすると、外国のパテントや生産技術を輸入したいのですが、そのために必要な外貨が決定的に不足しています。


そこで特別経済区を作ったのです。


それは、中国が輸出製品を造り、外貨を稼ぎ、新しいテクノロジーを手に入れるためであって、中国の市場を外国の企業に向けて解放しようという意図から発しているものではありません。


中国側のホンネは、あくまで輸出製品を造り、それによって外貨を稼こうというわけで、海外の市場、すなわち日本やアメリカの消費者市場に強く期待しているのです。


ところが、それに対して特別経済区に進出した先進国としては、中国が自国の市場に輸出してくるというのは困ります。


そもそも自国の市場が飽和状態になっており、新たな市場を開拓したいがために中国に投資しているのです。


たしかに中国の労働賃金は安いので、生産原価をさげるというメリットはあるかもしれません。


しかし、そうしたことよりも、10億人という人口を抱える中国市場の可能性のほうに、より大きな期待をかけての先行投資なのです。


この思惑の食い違いが最近ますます明らかになりつつあります。

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