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2010年09月 アーカイブ

中国のはなし 5

中国が本格的な近代化を達成することが不可能なのは、近代化を阻む二つの具体的要因に拘束されているからにほかなりません。


その近代化を阻む二つの要因とは、その第一が、中国化されたマルクス・レーニン主義-毛沢東主義というイデオロギーであり、その第二が、ピラミッド的に中国を組織している中国共産党の強力な官僚組織です。


中国は有史以来、ここを統一的に管理していくということは非常に困難な地域でした。


この数千年来、中央権力が統一的に国家を統治している期間より、各地の諸勢力が相互に闘争している状態の期間のほうがはるかに長かったのです。


地理的、文化的に考えてみても、同じ漢字を使っても、北方の北京周辺、南方の上海周辺では、話し言葉はかなり違います。


さらに四川省あたりの内陸でも、言語、文化がかなり異なるなど、中国全体を束ねるのは容易な術ではありません。


中国政府が10億人もの人口をもつこの広大な国家を統治していくには、どうしても強力な大義名分ーイデオロギーが必要なのです。石塚孝一氏によると、中国における過去のそれは、儒教でしたが、現在のそれはマルクス・レーニン主義にほかなりません。


中国共産党の掲げる毛沢東主義、マルクス・レーニン主義は、一般中国大衆が信じる信じないは別にして、中国を統一していくうえで絶対的に必要な公式イデオロギーです。

中国のはなし 6

もし、これを公に否定してしまうと、社会を拘束している大義名分が消滅してしまい、とても国家を統一しておくことはできなくなるでしょう。


ゆえに、いかに中国政府が資本主義の導入による近代化を図ろうとしても、それは必ず共産主義イデオロギーという建前と衝突しない範囲にとどめねばなりません。


そのため、近代化は不徹底なものとならざるをえません。


中国を政治、軍事のレベルで統一している現実的な力は、中国共産党です。


この中国共産党という組織は、プロレタリアートの前衛などといったイデオロギー的なタテマエを別とすれば、それは党官僚.高級官僚という特権階級の組織にほかならないでしょう。


この特権階級に組織された中国共産党の組織こそが、中国資本主義化のもうひとつの最大の阻害要因です。


中国共産党の組織は、全国的にはりめぐらされた小ピラミッドの上に、中ピラミッド、そして大ピラミッドが順番に乗っている強固な官僚組織です。


もし、市場に基づく近代化を本格的に実行しようとすると、この組織は解体せざるをえないでしょう。


本格的な近代化ということは、外国の資本が自由に投資されるということだけでなく、中国人自身が自由に投資し、自由に資本家になって商売を始めてゆくということでもあります。

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